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Channel: 公立大学法人 国際教養大学 | Akita International University
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2014年度春学期入学式が挙行されました

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2014年4月8日 国際教養大学入学式が挙行されました。
本日は、橋口昌道秋田県副知事をはじめとして多くの来賓にご参列いただき、世界各国からの留学生88名を含む 270名の新入生が、本学の学生としての第一歩を踏み出しました。

学長式辞
学長 鈴木 典比古

IMG_0345新入生の皆さん、国際教養大学に御入学おめでとうございます。また、保護者席で本日の入学式を見守っておいでの御父母や関係者のみなさん、お子様方が晴れて本学に入学なさった事に対しまして心からお祝いを申し上げます。

今年のこの入学式は本学にとりましては特別の意味をもった入学式であります。本学は丁度10年前の4月8日に開学いたしました。したがって、今年は開学10周年にあたる年なのであります。2004年の4月8日に、初代学長を務められた故中嶋嶺雄先生の下に148名の第一期生を受け入れ、教員50名、職員37名、また教育施設といえば教室数41という体制で東北のこの秋田の地に開学したのでありました。出発はこのようにささやかなものではありましたが、その志は最初から天を衝くものでありました。すなわち、その建学の理念は「国際教養大学は「国際教養(International Liberal Arts)」という新しい教学理念を掲げ、英語をはじめとする外国語の卓越したコミュニケーション能力と豊かな教養、グローバルな視野に伴った専門知識を身に付けた実践力のある人材を養成し、国際社会と地域社会に貢献することを使命とする」とあります。そしてその理念に共感する次のような学生を求めています。

  1. 学習意欲が強く、鋭い問題意識をもつ学生
  2. 国際社会を舞台に活躍できるような実践的な外国語運用能力(特に英語)と、幅広い教養の修得を志す学生
  3. 世界の多様な文化、言語、歴史、社会、そして経済や環境などの国際関係について、強い関心と探究心をもつ学生

このように、本学は最初からその立ち位置をグローバルな枠組の上に置き、日本のリーダーたろうと公言してはばからなかったのであります。更におどろくことは、その公言をまことに実直に実践、実行してきたことであります。大学の構成員全員がこの理念に表された本学の在り様を共有のものとしたのでありました。

しかしながら、忘れてはならない事があります。それは、第一期生として入学してきた10年前の新入生の心情と心意気であります。彼等が入学するために本学に到着した時、彼等の眼前には数十人の教職員と幾棟かの教室があるばかり、残りは秋田杉に囲まれた味気のない空間であるキャンパスのみでありました。新入生の心は、推し量るに、複雑なものであったろうと思います。これからの4年間、勉学を修めてそこから飛び立っていく筈の学園とはこれなのか。自分達はこの人生のハイライトにあたる18~19才から22~23才までの時期をここで費やしていいのか。大学は我々に何を与えてくれるのか…等々。しかし、彼等の心中には、これらの不安や疑念を払いのけるように次のような思いがあったのでした。即ち、我々はこの大学の第一期生として入学して来た。この大学が生き延び、成功するか、中途で挫折するかは全て我々の営為にかかっている。大学と学生はいわば一蓮托生であり、もはや突き進むしかない。我々が歩む一歩一歩は大学が歩む一歩一歩である。我々は大学が何をしてくれるのかを求めない。我々は大学の為にやることはやる。それが自分の為に為すことでもある。

そして10年後、本学は日本国内ばかりではなく世界からも注目される国際教養を授ける大学として確固として立つ存在となりました。それはかの第一期生達やそれに続く後輩達が良き礎となってくれたからであります。しかし、その先達たちも、未だ30才に達しいの若い人々なのであります。この人達が卒業後も社会において活躍し、懸命に生きてくれていることが、本学の評価を定めてくれているのです。

さて皆さん、皆さんが本学を目指した動機や目的は何であったでしょうか。本日、この入学式に列して、心中に去来するものは何でありましょうか。本学の高い評価にあこがれて入学したのでありますか。本学ならば何か良いものを与えてくれるであろうという期待感がありますか。それらのものは、おそらくこれから始まる4年間の厳しい勉学を通して懸命に努力した結果入手できるでありましょう。しかしながら、今から保証されているものではありません。それは全て皆さん次第です。

皆さんは、本学がこれから4年間もしくは大学院生の場合は2年間をかけて研磨し、すばらしい宝石になっていく原石なのです。皆さんを研磨した結果、どのような色合いと輝きを発揮するのか、誰にもわかりません。ただわかっているのは皆さん一人一人が大きな潜在能力を秘めており、それらを磨いた結果は、一人として同じでない色合いと光沢を見事に出すということなのです。大学としてこのような皆さんを受け入れることは、この上もない喜びであり、幸せな事であります。この喜びをもって、本学は皆さんが懸命に努力するに値する十分な環境を提供します。それは諸君を成長へと導く熱心な教授陣、それをサポートする職員達、すべての科目を英語で開講し、すべての学生の1年間の海外留学を義務化するという、他大学に類を見ないカリキュラム、24時間・365日開館の図書館、厳しい対話が繰り返される少人数・対話型の授業、1年生が全員共同生活を過ごす異文化全寮制等であります。皆さんはこれらの訓練や体験を経て、必ず脱皮して行きます。繰り返しになりますが、それも皆さん次第なのです。しかしながら、そう言ったからといって、我々教職員が皆さんの努力や苦闘を手をこまねいて傍観していることは決していたしません。それどころか、我々も共に身を投じて激流を泳ぎ、皆さんの脱皮を手助けします。このことはどうか信頼して下さい。さあ、それでは皆さん、これからの4年間で必ず大きな脱皮をして成長すると我々の前で自らに誓ってください。

それでは今から、その第一歩を歩み出しましょう。

 

学部新入生代表スピーチ 
原田 拓実

IMG_0383皆様おはようございます。原田 拓実と申します。この度、新入生の代表としてこの式典でスピーチできることを光栄に思っています。また、国際教育において先駆的な役割を担っており、世界への架け橋である国際教養大学で学べることに期待で胸いっぱいです。

国際教養大学(AIU)では、単に英語を学べるだけでなく、様々な授業を英語で学べます。英語は世界中で通用する強力なコミュニケーション・ツールです。皆さんは、2020年の東京オリンピックにおけるプレゼンテーションのことを覚えているのではないでしょうか?あのプレゼンテーションは、英語の力を強く認識させてくれました。誘致成功の要因の一つに、発表者が英語に流暢だったということもあるかもしれませんが、成功の鍵は英語だけではなかったと思います。2020年東京オリンピックの誘致委員会は、事前に念入りに情報収集を行い海外のニーズなどを把握していました。誘致委員会の徹底的な分析と明確な戦略こそが聴衆の心を動かし、そして、委員会は国際舞台で大きなプレゼンスを示すことができたのです。この誘致委員会がしたように、国際教養大学では、情報や知識を得て、分析し、解決策を見出す・・・これらすべて英語でやることになります。英語での思考や会話には苦労するかもしれませんが、その試行錯誤が確実に英語によるコミュニケーション能力を高め、自信につながり、突破口を見いだせるようになるのだと思います。

AIUの学生は日本中だけでなく、世界中から集まってきています。また、在学中に海外留学をすることにもなっています。私たちの日常はまさに、多様性との出会いの連続です。文化や風習の違いによりカルチャーショックを受け、時にはそれによって摩擦が生じることもあるかもしれません。しかし、そのような摩擦は、逆に視野を広げ、相互理解を促す格好の機会になると思います。AIUの学生や先輩達はそれぞれ夢をもち、それに向かって日々切磋琢磨しています。また、AIU卒業生は幅広い分野および世界中で活躍しています。AIUでの人との出会いはいつも、私たちが互いに刺激しあうきっかけをもたらし、そうすることによって私たちは、世界の推進力となりうる力を獲得していくでしょう。

このAIUで私たちが生活を始めれば、レクチャーホールからこまち寮に至るまで、様々な場所が学びの場となります。よい学びはよりよい判断の糧となり、グローバル社会において活躍する基礎をつくります。私たちの日常は、お互いを高めあい、より強くたくましく成長するための様々な機会にあるふれています。私たちは、世界中どこへ行っても通用するような精神を鍛え上げます。そして今、そのスタートを切るのです。

 

大学院新入生代表スピーチ
ルイーズ・レベッカ・クレッグ

IMG_0404皆様おはようございます。ルイーズ・レベッカ・クレッグと申します。この度、国際教養大学(AIU)の専門職大学院における英語教育実践領域(ELT)に入学できることを光栄に思っております。

私が最初に秋田に来たのは、日本政府が支援している「語学指導等を行う外国青年招致事業」(JETプログラム)の一環で、英語講師のアシスタントとして横手市に赴任したときでした。当初、ロンドンで大使館から採用の通達が届いた時は、インターネットのGoogle検索サイトを通じて、秋田がどんなところか心躍りながら調べました。しかし、最初に調べた「横手市」については、豪雪地としか書かれておらず、次に調べた「秋田」では、秋田犬の写真ばかりで、私が現在住んでいる十文字町のことなど何も見当たりませんでした。

以上は9年前のことだったのですが、最近、同じことを試みてみました。そうしたら、秋田犬の写真がもっと増えただけでなく、Googleマップに十文字町がはっきりと示されていることを発見し、嬉しくなりました。また、一般的な基準からは小さなこの大学が、努力と機運により、短期間に多くのことを成し遂げたことを示す様々な情報も目にすることができました。

私がAIUとそのプログラムについて知ったのは、JETプログラムを通してで、AIUの教員がJETプログラムの会合や活動に積極的に参加していたためでした。そのきっかけを通して、私は光栄にもAIUに来て秋田での生活について話したり、地域の行事にAIU生と一緒に参加したりする機会に恵まれました。進学先については、ヨーロッパやアジアの様々な大学を比較して熟慮しましたが、最終的に、自分が求めているものがかなえられそうだという観点から、AIUのELTコースを選びました。「国際(グローバル)」の単語は、よく大学院の入学案内などで見られますが、多くの場合実態が伴っていない場合が多いように思われます。しかし、AIUではそれがきちんと具現化されていると思いました。私は今、これから教員や学生仲間らと一緒に切磋琢磨し、議論し、もしかすると自分の価値観まで変えられるぐらい勉学に励めることにワクワクしています。AIUでのこれから2年間で、新しい知識を多く蓄え、備わったスキルにさらに磨きをかけて、競争率が激しいELTの世界で自分がキャリアを伸ばせる能力を身に着けられると信じています。

※実際のスピーチは英語で行われておりますが、ここでは日本語訳を掲載しております。

<橋口昌道副知事祝辞の様子>

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<渡辺玲子特任教授と小森谷裕子様による祝賀曲演奏の様子>

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<式典前後の新入生の様子>

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